みなさんこんにちは、はりです。
前回記事に引き続き、3rdライブに向けての歌詞読み企画をやっていきます。
こちらの記事を読んでいない方は先に読んでいただければ嬉しいです。
<企画説明記事>
<前回記事(Poppin' Up!編)>
ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 3rd Live! School Idol Festival ~夢の始まり~まで後9日!
というわけで、今回は本企画第3回、第3話挿入歌、DIVE!編です。
早速歌詞解釈やっていきましょう。
はじめに
DIVE!
まず、本楽曲のタイトル「DIVE!」の意味は”飛び込む”や”潜る”ですね。
しかし歌詞では空を連想させる言葉や、実際に空という言葉が使われることが多いで、それが面白いところであり、難しいところでもある気がします。優木せつ菜の再スタートの曲であり、彼女が閉じ込めてきた想いが詰まっている歌詞ですので、その辺りを読み取っていければ良いかなと思っております。
前置きはこれくらいにして、早速本題に入っていきます。
それではいきましょう、DIVE!編です。
歌詞解釈
そう高く 果てなく
明日へと導くよ
私だけの光放ちたい DIVE!
高く、果てなくこれがまず、空を連想させる歌詞です。
これが曲のタイトルと実際の歌詞のギャップということになりますが、これはせつ菜の想いの向かう先のようなイメージでしょうか。
これは...始まりの歌です!
(3話「大好きを叫ぶ」より)
せつ菜にとってこれが「始まり」なんですよね。
”けじめとしてのライブ”で『涙から生まれる希望も 目には見えない力で繋がる*1』と歌った彼女がここで「始まり」という希望が生まれた、それがせつ菜自身が何よりも願っていたことなのかもしれません。*2
そして始まりの歌だからこそ、明日へ導いていくという未来に向かう歌詞を歌う。
じゃあ何を、あるいは誰を明日へ導いていく、と歌っているのかなとふと考えました。
私は「自分自身」なのかなと思います。
スクールアイドルを辞めてしまうことで優木せつ菜として前に進めなくなっていた*3からです。そんなせつ菜自身を明日へと導いていく、そんな思いを感じます。
「私だけの光」、前回のPoppin'Up!の記事でも再三書かせて頂きました。
せつ菜とかすみは方向性の違い、目指すものの違いからぶつかり合ってしまった。
結果、お互いに自分自身の方向性に自信を持てなくなってしまった。
それぞれの光、これはニジガクの特徴の一つではありますが、せつ菜の考えは元々は違うものでした。「勝利に必要なのは、グループが一つの色にまとまること」との考えがあったから。
そんなせつ菜が侑ちゃんに、大好きを貫くという本質の部分を肯定された。
そしてそれを受けて”始まりの歌”で”私だけの光放ちたい”と歌えること、これはせつ菜の野望を叶えるための第一歩でもあるでしょうし、彼女自身が一番やりたいことに全力で向き合うことための宣言でもあったかもしれません。
自信なくして ただ
心に鍵かけて
響く自分の声に
耳塞いでた
「自信なくして」いたのは、自分の大好きが他人の大好きを傷つけたから。
あるいは自分の大好きは一番身近な仲間にも届いていなかったからでしょうか。
本来のせつ菜の想いは、「この世界を大好きで溢れさせたかった」。
それがいつしか「全国のアイドルグループとの競争に勝ち抜くこと」に変わっていた。
だから極端に言うなら、大好きは届くはずがなかったんです。自分の本当の大好きを叫べてはいなかったのですから。
大好きを叫ぶという目的のための手段であったスクールアイドルがラブライブ!という競争の舞台になることでラブライブ!で勝つことが目的に変わってしまっていたんですね。
優木せつ菜は大好きを叫ぶために生み出された中川菜々という少女の中の存在。「ラブライブ!」を目指すことは他者から期待されてせつ菜の中に作られた目標。
そういえるのが3話、生徒会室で一人、動画のコメント見ている時の
「ラブライブエントリーしないんだ」
「いい線いってたかもしれないのに」
というコメント。
更には音楽室で侑ちゃんと話している時に言ったこの言葉。
そのとおりです 『ラブライブ!』は スクールアイドルとそのファンにとって 最高のステージ。あなたもせつ菜さんのファンなら そこに出てほしいと思うでしょう?
3話「大好きを叫ぶ」より
「出てほしいと思うでしょう?」という言い方。これは高咲さんはせつ菜のファンなのだからこう思うだろう、という意味だと考えられます。つまりこれは「ラブライブ!」は他者からの期待に応えようとするせつ菜の中の目標なんですよね。
けれども、同好会メンバーを傷つけてしまうという過去があって自信を無くしてしまった、結果「優木せつ菜はもういません!」と、大好きを叫ぶための存在であった自分自身をも否定してしまったのだと思うのです。
それがきっかけで、自分の本当にやりたいことにも目を向けず、自分の心の声も聴かなかった。
もっと言えばそもそも優木せつ菜、という存在が大好きを叫ぶための存在なので当然かもしれません。*4
自分=中川菜々と捉えることで中川菜々がやりたいこと⇒大好きを叫ぶこと(叫びたいこと)に耳を塞いでいた。ということでもあるでしょう。
ホントはいつだって
わかっていたんだよ
一番大切なもの
ここにあること
一番大切なもの。
せつ菜にとって一番大切なものって何だと思いますか。
これはせつ菜を知るうえで、この曲を知るうえでとても重要なことなので、少し考えてみます。
例えば...
・スクールアイドル活動
・ファン、仲間
・大好きを叫ぶこと
・自分の気持ち(本心)
3つ目と4つ目は近いかもしれませんが。。せつ菜の大切なことを考えると、私はこういったことなのかなと思います。他にも考えられるものはあるでしょうが。
せつ菜がなりたいスクールアイドル
『大好き』を世界中に溢れさせちゃうスクールアイドルになること
スクスタ公式サイトメンバー紹介より
世界中に大好きを溢れさせたいせつ菜の一番大切なもの、これは「自分の大好き」なのでしょう。なぜなら一番大切なものが”ここ”にあることをわかっていたから。
じゃあ”ここ”ってどこですか?
「ここにある」
”ここ”というのはきっと自分の気持ちを真っ直ぐに伝えられる、表現できるステージ、あるいはスクールアイドル同好会という居場所。
なのでこの歌詞は「自分の大好き」が、このステージ上にある。あるいはスクールアイドル同好会にある。それが彼女の中にある想いなのでしょう。
そしてイントロでも触れましたが、「優木せつ菜」はステージ上にしかない存在だからこそ、ステージの上にこそ優木せつ菜の一番大切なものがあることをせつ菜自身が一番わかっていたのだと思います。
無限に広がる宇宙(そら)
迷わず進もう
Go! Fly! Yes! So High!
宇宙(そら)という表現がせつ菜らしさだと思います。イントロの”高く果てなく”、というのはこういったイメージからきているのかなと。
”宇宙”(そら)は”空”よりももっとスケールの大きなイメージかと思います。
それはせつ菜自身が描く景色であり、せつ菜自身が感じる可能性なのかもしれませんね。無限の可能性へ迷わず進んでいく、侑ちゃんの言葉で改めて自分を信じることができたからこその歌詞なのでしょう。
目を閉じて
言い聞かせてみたって
もうカラダ中騒いでる
止まらない Heart
強く熱く…!!
言い聞かせる、というのは何を言い聞かせているんでしょうか?
私はこの歌詞を聴くと菜々からせつ菜になった直後の「どうなっても知りませんよ!」という言葉を思い出しました。
再三書いておりますが、せつ菜という存在はそもそもスクールアイドルとしてしか存在しない。
でもここでは彼女は、”制服の優木せつ菜”、なんですよね。言い聞かせる、というのは中川菜々が優木せつ菜に対して言い聞かせている、けれどももうカラダ中が騒いで熱くなっている。
そんな一人の少女の中の葛藤があったのでしょう。
我慢してきたものをあの宇宙(そら)へ解き放つことができる喜び、熱さ、色々なものがあったのではないでしょうか。
これも真っ直ぐなせつ菜らしいところだと思います。
そう高く 果てなく
抱きしめた未来が
軌跡になる
生まれた思いが
明日へと導くよ
私だけの光放ちたい DIVE!
サビではせつ菜の強い想いが歌われます。
「抱きしめた未来が軌跡になる」
正直、中々しっくりくる解釈ができなかったところではあります。
軌跡というのは、これまでの歩みなど、過去の歩みを表す言葉なので、「未来が軌跡になる」 というのははっきり言って普通の表現ではありません。
この言葉選びについて少し考えてみます。
まず、一般的な話として「抱きしめる」のは、大切なものや好きなものです。そしてせつ菜が「抱きしめた」のは未来。せつ菜が手離しそうになった未来を侑ちゃんが繋ぎ止めた。だからせつ菜はもう離さないように、大切なものである「未来」を抱きしめるのだと思うのです。
そんな未来が軌跡になるという表現。せつ菜自身のこれからの歩みすべてが大切な軌跡になっていくというイメージでしょうか。
嫌な過去*5も経験したけど、そんな過去も肯定された*6から、これまでのそんな道だって無駄じゃない、全ての過去もこれから歩む未来もこれからの優木せつ菜としての大切な軌跡になっていく、というようなことではないでしょうか。
「生まれた思い」、ラブライブ!に出るために一つの色にまとまらなくても良い、「スクールアイドルがいて、ファンがいる、それで良いんじゃない?」という侑ちゃんの言葉からせつ菜の大好きを叫ぶという原点を思い出すことができた。
誰かの大好きが誰かの大好きに繋がって、せつ菜がまたその大好きに救われる。侑ちゃんとせつ菜のやり取りからそんな彼女らの大好きのつながりを感じました。
誰のものでもない
心に問いかけて
選んだ道の先へと
まっすぐに
誰のものでもない心、これはスクールアイドルを辞めようと決めたせつ菜の心でしょうか。
スクールアイドルを辞めるという決心は、本来の自分の想いではないと、1番のAメロで考えました。「一番大切なもの⇒自分の大好き(気持ち)」
大好きを叫んでいたのは優木せつ菜という存在。つまりそれはせつ菜の心なんですよね。ではそのせつ菜がいなくなってしまったらその心はどうなるんでしょう
そう、文字通り「誰のものでもなくなる」わけですね。
その心に問いかけて選んだ道は、もう一度スクールアイドルをすること、大好きを叫ぶこと。そしてそこに真っ直ぐに向かっていくという決意をした。という自身の葛藤が歌われています。
どんな時だって
見失わないよ
一番大切な場所を
見つけたから
1番の歌詞で一番大切なものは、自分の気持ち=大好きを叫ぶことであると考えました。では、一番大切な場所はどこなのか...
これはスクールアイドル同好会だと考えています。「見つけた」という言葉で表現していますね。
1番の”気持ち”は常に自分の中にあるもの。そしてずっと変わらない想いがある。だからこそ「わかっていた」という表現。既にあるもの、ということです。
では「見つけた」という表現はどうか。スクールアイドル同好会という場所は、せつ菜は元々同好会メンバーでしたから今見つけた場所ではありません。同好会のことだと仮定すると、なぜ「見つけた」という表現をしたのでしょうか。
それはせつ菜がいたころの同好会は、「一つの色」にまとまろうとしていた。ということが挙げられます(まとめようとしていたのはせつ菜ですが...)同好会メンバーそれぞれが持つ色を表現できる場所ではなかった。だから、せつ菜自身も自分の大好きを叫べる場所ではなかったし、大好きを貫ける場所ではなかった。ラブライブ!を意識して使命感や、焦りを持ちながらの活動でした。
それが、かすみ、歩夢、侑ちゃんの3人によって「それぞれのやりたいことを叶える(方法を探す)」同好会に変わっていた。
つまり、いい意味でまるで違う同好会であったために、せつ菜は「見つけた」という表現をしたのではないかと思っているのです。
スクールアイドル同好会は一度廃部になりましたが 新しく立ち上げてはいけないという校則はありませんし
3話「大好きを叫ぶ」より
この言葉から分かるように、同好会は新しいものに生まれ変わっていたんです。
一つの色にまとまろうとする同好会ではなく、それぞれの一番を叶えるやり方を探す同好会に。
そんな場所だからこそ、本来のせつ菜を見失うことはきっともうないでしょう。
遠回りでもいい
胸張って進もう
Louder! Sing! Louder!
大好きを叫ぶという、一見簡単そうなことでも遠回りをしたせつ菜だからこそ、それでもいいから自分自身を信じて、胸を張って進もうという想いを叫べるし、そんなメッセージを送れる。
ここにせつ菜の「経験」という成長が詰まっているんですよね。
不器用かな
でも 傷ついたって構わないよ
曇りない気持ちで
生きたい Pride
私らしく…!!
自分の心を閉じて、優木せつ菜という存在だけが消えればいいだなんて、せつ菜という子は不器用なんですよ。
傷ついた過去がせつ菜にはある。
それでも構わない、今はとにかく自分らしく"生きたい"。この"生きたい"にせつ菜のこれまでの閉じ込めてきた想いが見えますね。
両手を広げて
解き放した昨日が
翼になる
重ねた出会いが
この瞬間(とき)彩るよ
私だけの光信じて DIVE!
1番と歌詞が対になっているところが面白いですね。
「解き放した⇔抱きしめた」、「昨日が⇔未来が」、「軌跡になる⇔翼になる」
1番の歌詞で抱きしめるものは大切なものである、と考えました。つまり解き放すのは自分の中に持っておく必要のないもの。つまり、"解き放す"のはスクールアイドルを辞めようとして自分を閉じ込めていた昨日(過去)なんですよね。
その過去を自分の中に閉じ込めておくのではなく、解き放すことで自分の明日への糧としていく。明日への翼になっていく。せつ菜の過去を、持っておく必要のないもの、と表現しましたが、せつ菜が描く明日への翼として昇華させていくんですよね。
辛い過去も翼にしていける、翼になるからこそ無限に広がる”宇宙(そら)”を進んでいける。辛い過去を持っている人は強いんですよ。だから”空”ではなく”宇宙(そら)”へ進んでいけるんです。
重ねた出会い、は言うまでもなく「高咲侑」の存在であり、歩夢であり、元同好会メンバーでもあるでしょう
この"時"ではなく瞬間(とき)なのが印象的です。せつ菜にとって、この出会いがなければ、モノクロの世界で"生きて"いくことになっていたのではないかと。
それがこの出会いによって今この瞬間が彩られていて、その一瞬一瞬が、"世界が色付いて光出す瞬間"なのでしょう。だからこそ"時"ではなく"瞬間(とき)"と表現するのだと思います。このあたりからもCHASE!との繋がりもとても感じられて好きですね。
「私だけの光」を信じて進んでいく。
イントロ、1サビ、そしてここ。
私「だけ」の光なのが本当に印象的です。私の光、でも良いところをあえて「だけ」を入れるところに想いの強さを感じますね。
そう高く 果てなく
抱きしめた未来が
軌跡になる
生まれた思いが
明日へと導くよ
私だけの光放ちたい DIVE!
落ちサビは1番のサビと同じなので、省略します。m(_ _)m
が、1サビよりも更に確固たるものがあるのがラスサビでしょう。
2サビで対になる歌詞、について書かせて頂きましたが、それを踏まえてもう一度この歌詞を歌うことにどういう意味があるでしょうか。
解き放した昨日が翼になる、ということを歌ったいま、せつ菜は過去を翼として昇華させているので、「軌跡」という言葉により重みが出るんですよね。
だから明日へと導いていく思いが翼に乗って、それが更なる彼女の強さとなっていくのでしょう。
おわりに
はい、というわけでDIVE!編でした。
改めてDIVE!というタイトルについて。
歌詞だけを見ると、新しい世界、未知の世界へ飛び込んでいく、というようなイメージになりますね。ですが、これはやっぱりMVについて考えていくのが一番かなと思いますので、考察の得意な方、よろしくお願いします(他人事)
それぞれの歌詞の背景を少し掘り下げて考えてきましたが、いかがでしたでしょうか。
せつ菜推しとしては3話のせつ菜の想いとこの曲の歌詞がリンクした瞬間がかなりヤバめです。ライブであのパフォーマンスを見られることがとても楽しみですし、全力で受け止めたいと思います。
毎度自分の文章力のなさを感じながら書いておりますが、読んでいただいている方、ありがとうございます。
次回は、愛さんの楽曲「サイコーハート」編を書いていきます。
今回もお付き合いいただきありがとうございました。明日もまたよろしくお願い致します!
それでは~
*1:「CHASE!」より
*2:CHASE!を歌い終わった後の雫が涙だったかもしれません。涙だとするとスクールアイドルとして最後のライブという寂しさ、悲しさかもしれないし、自分だけがステージに立っていることの寂しさ、同好会メンバーへの想い、かもしれない。けれどもそんな色々な想いから出た涙から新たな希望が生まれていた、ということかもしれませんね
*3:せつ菜という存在はスクールアイドルをやっていて初めて生まれる、前に進む存在ですからね
*4:中川菜々のままではスクールアイドル活動=大好きを叫ぶことができないから優木せつ菜、という名で活動していたのが彼女でした
*5:自分の大好きが他の人の大好きを傷つける
*6:せつ菜の過去をすべて聞いたうえで侑ちゃんは、「幻滅なんてしてないよ」とせつ菜の過去を否定しませんでした